学園アリスについて

ルカぴょんなにあれ?次は俺を選んで、負けないって。思えば棗よりルカの方が先にキスして思いも告げているような気がする。でも棗には蜜柑が必要で、持て余す炎の力は無効化と惹かれ合い、親は親友同士で二人にどうしようもない繋がりを感じて身を引いてしまう。棗と自分の辛さを分かち合うため一緒に学園に入ることを決めて自分よりも棗を優先する。学園アリスには自分を顧みない優しい子ばかりだけどルカは棗と蜜柑に関しては本当に自分は二の次。でも気持ちを告げないことはできなくて、蜜柑に伝わらない思いを告げるシーンは蜜柑の気持ちもルカの気持ちもわかるだけに異常なほど切ない。数えてないけど告白の数も棗より多いのかも。棗があまりはっきりと思いを告げない分ルカのはっきりした告白が心に残っているのかもしれない。蜜柑が記憶を消されて学園を去り、棗は生きてる可能性は低くて、蛍は時空の彼方に消えたまま。棗が帰ってくるまでのルカは本当に辛かっただろうし一人ぼっちのような気分だっただろう。委員長や先輩はいても本当に守りたい人がいなくなってしまったその時のルカを想像するだけで辛い。棗が帰ってきて、蜜柑に会いに行くも二人の絆が固過ぎて蚊帳の外感が半端ない。歌劇の国のアリスでは高校生活をイチャラブで過ごす棗と蜜柑が描かれていたが、ルカの心境を思うとかわいそうでならない。公式美少年、耽美、イケメン、優しい、王子様というとてつもないスペックを抱えているのに好きな子には彼氏がいる。高校生になったルカはさぞかしモテてモテて困って仕方がなく、でも好きな子が忘れられないと振り続けるのかと思ったが、初等部の面々がそのまま持ち上がるからそこまでかもしれない。ただ上級生からの押しはなくなっても下級生からは羨望の眼差しを向けられることは間違いない。

最終的には獣医になった以外の情報は作者の意向により明かされてないことが私にとっては救いだった。あの状況で蛍とくっつくことはどうしても嫌だったし、何よりルカが蜜柑以外の人を好きになる未来が見えない。蛍とルカの恋愛的な絡みが皆無であったにも関わらずルカが不憫という理由だけでくっつけられたら納得できなかった。確かにルカは不憫だし報われなくて蛍じゃなくても誰かしらとくっついた方が幸せなのかとは思いつつ、取り敢えず現状は蜜柑のこと以外考えられないと思いたい。蛍に関しては作者が語った独身というのがピッタリすぎて何も言うことはない。先ほどの高スペックに加え獣医さんという職につきながらもやっぱり好きなのは蜜柑というルカが好き。


ペルソナとのばらが抱いていた子どもについて、作者は二人の子供でもルナでも好きなように解釈を、としていたが私は断然ルナであって欲しいと願う。作中でも読者にもあまり好かれなかったルナ、あの嫌われようとしてるとしか思えない行動の意味を知ってしまったら素直に嫌な子だとは思えなくなる。柚香を羨ましいと思う気持ちは痛いほどわかるし唯一自分を受け入れてくれた初校長をあの様な形で見守ると決めた気持ちはルナにしかわからない辛さであり決意である。そんなルナを同じく初校長に仕えてきたペルソナと、そんなペルソナをルナが初校長を思うように慕ってきたのばらが育てるのは当然の成り行きではないかと思う。第1あの二人がルナを拾わなければ誰がルナを育てるのか。


ナルのことは考えれば考えるほどルカよりも不憫に思えてならない。好きになった人には好きな人がいて、自分のアリスも奪われてしまった。たまたまやってきた蜜柑に柚香との繋がりを求めて学園に入れたものの、その判断にずっと悩まされる。最後、柚香は蜜柑と二人であればテレポートで脱出できたのにナルを待ったことにより爆発に巻き込まれる。いわばナルが柚香を死なせてしまったようなもの。でもそれはずっと報われなかったナルが最後に柚香の意思で一緒にいたい置いていけないと想われた証拠でもある。

(最初の方の話でナルが蜜柑と一緒に寝る話、じーちゃんって呼んでいい?の流れから蜜柑の「お父さんって呼んでいいの?お父さんっていたらこんな感じなんかな」と言いながら何度もナルのことをお父さんと呼ぶシーン、あの段階でナルが蜜柑を柚香の子どもだと認識していたかは定かではないが、恐らくほぼ確定していたはずでそんな蜜柑からお父さんと呼ばれたことは嬉しかっただろうなと、例え自分との子どもではなくても愛してる人と繋がりを感じることのできる子と自分が父親になった感覚で添い寝することができる未来をナルはきっと想像できなかっただろうから思い返せばあのシーンはとても深くて良いシーン)

ナルもきっと柚香以外の人を今後好きになることはないんだろうな。恋愛以外の全てを全力で楽しめるようになったらとても嬉しい。蜜柑と棗の成長を親として見届けてほしいし、本当の最後には蜜柑と棗に見届けられてほしい。


蛍と蛍兄について、この二人最終巻の未来の写真で蜜柑や仲間と仲良く写真を撮っていたからてっきり帰ってきたのかと思っていた。じゃあ何故歌劇のアリスでは出てこない?と思っていたところ、未だ時空に流されているとのこと。一刻も早く二人には戻ったきてもらいたいし戻ってきてもらわないと困る。ただやっぱり死んだ人を生き返らすということはそれだけの代償を払わざる終えないということ。蛍はまだいいとして言わば関係のない蜜柑と棗のことで現代に帰れなくなった蛍兄の心情を知りたい。でもきっと今まで省みることのできなかった家族や妹のことを反省して、そんな妹に頼られたら助けないわけにはいかない兄の気持ちがあるんだろう。楽しく今までの隙間を埋めるように仲良くしているという作者の言葉に救われる。ただ2人は優秀なだけに現代で落ち着いてそのアリスの力を発揮してほしいなと思わなくもない。


この物語はナルがいなければ始まらなかった話で蜜柑を学園に引き入れたのはナル本人で、もしあの時ナルがアリスを使わずに蜜柑を追い返したり、そもそもナル以外の先生が来ていたらフェロモン系以外の無効化が安定していない蜜柑はきっと蛍との未練を抱えたまま自分のアリスに気がつくことなくあの田舎で一生を過ごしていただろう。恐らく卒業後の蛍は発明に忙しくて蜜柑が無理矢理にでも会いに行かないとダメだろうし、小学校のとき仲良かった子のことなんかもう20を超えた頃には記憶も薄くなってるかもしれない。二人の絆はもちろん田舎の小学校時代からのものではあるがアリス学園での2人や友達、先生によって培われたもので最後蛍が自分の身を投げ打ってまで蜜柑を助けようと思うその気持ちはきっとあの田舎では手に入れられなかっただろう。柚香に関してもあの田舎には絶対に帰れないしどちらにせよ問題行動の重なりで棗の母のような最後を遂げていたかもしれない。蜜柑の生活はナルの引き入れによって柚香が思い描いていたものと真逆になってしまって、ナルもそれをわかってるから悩んだかもしれないけど、学園に入らなければ間違いなく柚香と蜜柑は出会えてないし、あの学園も棗も蛍もナルものばらもペルソナも誰も救われない。作中にもあったが「辛いこともたくさんあったけど楽しいこともたくさんあった」という言葉が全てを物語っているように思う。


柚香には本当に生きていて欲しかった。もしあのまま柚香と蜜柑とナルと3人で学園から逃げることができていたらとつい思い描いてしまう。きっとナルはそんなに簡単に気持ちの整理はつかなくても蜜柑と2人で学園を出ようとしていたぐらいで、3人の生活は満たされただろうし蜜柑も感じることのできなかった母親との繋がりや生活をしたかっただろう。でもあのままアリス学園から蜜柑が消えるのかと思うとそれも怖くてたまらない。なんの解決もしないまま誰も救えないまま消えてしまう蜜柑なんて蜜柑ではない。あそこで逃げず学園で最後まで戦い続けたから皆んなを救うことができたのだと強く思う。ただやっぱり柚香がいない世界は沢山の人に愛された人だからその分沢山の人の心に穴を開けたままで彼女の存在を埋めるものはなにもないんだろう。


学園アリスには最後の方なんて毎巻毎巻泣かされて辛くてたまらなかったけど特に記憶の消去を命じられたあのシーンは慣れることのできない悲しみを覚える。蜜柑の立場になって考えてみれば当然受け入れることはできるはずもない。あそこで蜜柑が受け入れたのはアリスのない自分、記憶を消さないことにより今後起きる問題、皆んなの安全を考えて、やっぱり自分よりもみんなの為の行動であった。棗にも蛍にも再開することもないまま消された記憶。蜜柑の記憶がなくなると学園の皆んなが知るシーンは蜜柑への感謝や思い入れや愛情が深いだけに蜜柑よりも中々その事実を受け入れられない仲間の姿に、蜜柑へ記憶のことについてなにもしてあげることのできない悔しさと、それでも蜜柑に笑顔でいてもらおうと考える姿に涙なしではいられない。棗の意識が戻って蜜柑のことを聞くシーンは棗の無念さが痛いほど伝わって、そんな棗のことを蜜柑は今頃忘れているのかと思うとなんとも言えない感情に襲われる。最終的に記憶は戻るとわかっていてもあのシーンはいつまでも慣れることはない。


沢山のキャラクターが不憫だと言われる中であまり触れられてないが不憫だと思わざるおえないのがじーちゃんの存在。突然現れた子持ちの女性。名前を聞くのみで目の前から消えてしまった母親と託された子どもの命。じーちゃんは蜜柑の母親がアリスでその子どももアリスである可能性があり、蛍がアリス学園に行くということでなにか嫌な予感がしていたかもしれない。泣きながら学園に行くほど会いたくて、記憶を失って帰ってきてからは泣くほど喜び、そんなのもつかの間また蜜柑は学園に戻ってしまう。どうしようもないとはいえ余りにもかわいそうでならない。血の繋がりのない全く知らない人の子どもである蜜柑を大切に大切に育て愛するじーちゃんに蜜柑は学園を卒業した後親孝行してほしいと願うし、蜜柑と血の繋がりや縁のある皆んなはそんなじーちゃんに感謝せざるおえないんだろう。



この物語最終的には自分のアリスを忌み嫌って自分も他人も傷つけてしまう人がいなくなるのが本当に救われる。アリスという個性を最初は受け入れられなくて自分が嫌いでいじめて他人にもいじめられて意地悪して、でも蜜柑という自身もあまり印象の良くない個性を持つ主人公と触れることで自分を許して好きになれるというのは、現実でもそんな風に他人の個性を受け入れて自分の個性を受け入れられたらいいなと思うより他ない。